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「みんなで目指そう 8020」~プロローグ~
広島県歯科医師会

 

「8020」は「ハチマルニイマル」と読み、「8020運動」とは80歳で20本以上自分の歯を保持することを目指す生涯を通じた歯と口腔の健康づくり運動です。

平成元年に厚生省(現・厚生労働省)と日本歯科医師会が提唱し広く国民に呼びかけてきました。当初は80歳の方の歯の平均本数は4本で、8020は夢のようなスローガンでしたが、平成17には10本にまで増加しています。

 

8020の意味:「80」は年齢、「20」は歯の本数。
8020の根拠:歯が20本あればたいていのものが食べられる
80××の現状:平成元年=8004→平成17年=8010

 

人生80年の長寿社会を迎えました。しかし、長い人生を健康で楽しく暮らさなければ長生きの意味がありません。そのため、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いをこめてこの運動が始まりました。丈夫な歯で何でもおいしく食べることは素敵なことだと思いませんか。

哺乳類の寿命と私たち日本人の寿命

野生の哺乳類の寿命は体重との間に相関性があり、軽いハムスターで3年、重いゾウで70年と言われています。
人はどうでしょう。現在でこそ日本人の平均寿命は男が79.59歳、女が86.44歳となっていますが、縄文時代では14.6歳、室町時代でも15.2歳と推定されています。古代人では、哺乳類の相関の範囲内にあったと考えてよいのではないでしょうか。
日本人の寿命を平均値でみると驚くほど低かったのですが、乳幼児の死亡率の高さ(50~60%)が、平均寿命の低さの原因の様です。
ちなみに、江戸時代の平均寿命は30歳程度で、50歳を超えたのは昭和22年のことであり、乳幼児の死亡率は大正時代で約15%、昭和25年で6.01%、平成17年で0.28%となっています。
このように見ると、日本人の寿命が延びたのは、乳幼児の死亡率の減少が最大の要因と考えてよいようです。その他の理由として医療の発達、衛生環境の改善、食生活の変化による栄養状態の改善が挙げられています。このことにより病気やけがで死亡する人が減少し、さらに高齢者の寿命が延びています。

平均寿命と歯の寿命

日本人の平均寿命はこの60年間で30歳以上も延びましたが、歯の寿命はどうでしょうか?
野生の草食動物は草を食べることで口の中をきれいにしていますし、肉食動物はいつも獲物があるわけではなく数日間食べられないこともあります。これではむし歯や歯周病にはなりにくいです。歯がなくなると、自然の草を食べることはできず、また獲物をとることもできなくなり、野生の動物は生きていけないという現実に直面します。
現代人は飽食の時代でいつでも好きなものが食べられるようになっています。歯科医療の進歩、衛生環境の改善でお口の中の状態は良くなっていますが、食生活の変化で砂糖摂取量は増加し、軟らかい食事を好む傾向が強くなり、むし歯や歯周病になりやすい傾向になっています。歯周病は、大人になって歯を失う最大の原因であり、歯肉や歯を支える骨を知らないうちに破壊してしまいます。これは生活の乱れなどから起こる成人病で、お口を清潔にし、全身的な健康管理をしておかないと、30歳くらいから発症し、50歳くらいから急激に進行してしまいます。また、最近では歯周病発症が低年齢化しており、小学生でも歯肉炎の対応が問題となっています。
飽食の時代をこのまま受け入れてしまうと、歯の寿命は短くなっていくかもしれません。
人生80歳となった今、いつまでも自分の歯で美味しく食べることができるように、歯の健康そして全身の健康について、一度見直してみましょう。
 

8020の出発点はいつから?

歯はお母さんのおなかの中にいる胎児の時から出来始めます。子どもの健康な歯や歯ぐき、歯を支える骨を作り維持するためには、妊婦さんの健康意識と健康管理が重要です。
そして、出生後には栄養管理、噛むことや話すことでの運動管理、けがやむし歯や歯周病の予防管理(口腔機能向上管理)など生涯を通して自分自身でお口の健康を守らなくては8020の達成はできないでしょう。

 

次回からはどのようにしたら8020を達成できるか考えてみましょう。

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