HOME > 食と健康 >ひみこのはがいーぜ「ひ・み」
ひみこのはがいーぜ「ひ・み」
広島県歯科医師会

「ひ」:肥満予防


画:Motoko Shintani

よく噛んで食べると肥満を予防します。


食べ物を噛み始めると、歯根膜や咬筋を通じて咀嚼中枢が刺激されて、食欲抑制や内臓脂肪の燃焼促進効果のあるヒスタミンが放出されます。脳内のヒスタミンが増えると満腹中枢の血糖値があがり、お腹いっぱいと感じます。血糖値は食事開始から徐々に上がり、早食いの人は血糖値がピークに達するまで必要以上に食べ続け、結果過食となり肥満になります。

ゆっくり食べるためには一度の咀嚼で30回噛むといいと、されています。噛む回数をふやすと唾液の分泌がよくなり、唾液の消化酵素が食べ物を糖に分解し、血糖値があがるのです。

 

厚生労働省でも、「歯と口の健康と食育~噛ミング30を目指して」キャンペーンのキャッチフレーズとして、一口で30回噛むことを意味する「噛ミング30(カミングサンマル)運動」を推奨しています。


ゆっくり味わって噛むことにより、ちょうどよい食事量が自然とわかるようになります。

「み」:味覚の発達

現代人の食生活は、食べやすく、軟らかく、そしてのど越しの良い「軟食」の傾向があります。その結果、食事時間が短くなり、噛む回数も減ってしまい、食べもの本来の味ではなく、調味料や香辛料の味を美味しいと感じるようになる傾向があるようです。

 

味の種類は「甘い」「しょっぱい」「すっぱい」「苦い」の4種類(「辛い」というのは味覚ではなく刺激)があり、それに加えて日本人は昔から培われてきた第5の味覚「旨味」を感じ取る感性があるといいます。

 

よく噛んでこそ、食べ物本来の味がわかるようになり、さらに風味を感じることもできます。味覚に対して最も敏感な年齢は、中学生頃だといわれていますので、子どもの頃に良く噛む習慣をつけて、味覚を発達させ、食べ物を味わう食生活を身につけたいものです。

栄養価が高く、噛みごたえが十分な「豆」「胡麻」「わかめ(海藻類)」「野菜」「魚」「しいたけ(きのこ類)」「いも」などのような食材を使い、日本の伝統食を積極的に取り入れるとよいでしょう。これらの一番初めの文字をつなげて「まごはやさしい」と覚えてください。

 

硬いものは噛みしめているうちに旨味がでてくることが多いのです。旨味は昆布から発見されたグルタミン酸,かつお節のイノシン酸,椎茸のグアニル酸が代表的なうま味成分といわれ、日本で発見されました。一般的にアミノ酸と呼ばれ、トマトが完熟していく時や生ハムやチーズが熟成されていくとグルタミン酸が濃縮され、うま味成分が増していきます。又、肉や魚から抽出されるイノシン酸は、動物性のうま味成分で、お腹の中で育っている胎児が味わう羊水の味といわれているらしく、『涙の味』とも『汗の味』とも表現されていました。

 

味覚が発達し、食べ物本来の味を感じることができるようになると、薄味でも十分美味しく感じ、生活習慣病さえも予防できるようになります。


■歯科医からの提言
  • たばこを吸うと、歯周病を起こしたり症状を悪化させるだけでなく、味の感覚を障害することがあります。
  • 入れ歯になると、味が分からなくなった、食べ物が美味しいと感じなくなくなった、という声を時々聞きます。
  • 口腔乾燥症は、味覚を障害します。
     
  • 良く噛むためには、歯とや歯を取り巻く組織が健康であることが基本です。日常の口腔ケアを怠らないようにするとともに、定期的な口腔管理やお口の困りごとなどの相談ができる「かかりつけ歯科医」を持ちましょう。

 

▲このページの上部へ