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肥満は炎症である!?
広島大学 天野 秀昭

メタボリックシンドロームという言葉が浸透してきました。肥満は見た目だけではなく糖尿病のようないろいろな病気の原因なので健康のため避けようと多くの人が思うようになっています。
そもそも脂肪はヒトのエネルギーの貯蔵場所として大切なものです。狩りで生活をしていた時代を想像してみますと,いつも安定して食事がとれるわけではないため,誰でも「食べられる時に食べておこう」とするのは当然なことであり,余分なエネルギーを蓄える仕組みが必要とされ,確かに良くできた効率的なシステムとしてできています。
肥満は「中性脂肪が脂肪組織に過剰に蓄積された状態」ということで,エネルギー摂取がその消費に対して過剰な状態が続くと生じます。肥満のヒトの免疫機能が低下する事は30年ほど前から言われていましたが,統一した見解はありませんでした。しかし近年,脂肪細胞の研究が進み,脂肪細胞からは種々の生理活性物質が分泌され,全身に様々な影響を及ぼしている事が分かってきました。つまり,脂肪細胞は肥満になればなるほど,一つの巨大な内分泌器官として働き,エネルギー貯蔵以外に,善くも悪くも全身に大きな影響を与える役割を持つようになるのです。
メタボリックシンドロームでよく言われる内蔵脂肪蓄積型肥満(内蔵の周りに脂肪が蓄積するタイプの肥満)の脂肪細胞からは炎症性の生理活性物質,特にTNF-αとよばれる物質が分泌され糖尿病の原因ともなります。

このTNF-αは慢性の炎症があると出る物質です。つまり,肥満しているということは炎症をいつも体内に抱えていて,それと戦う必要があるという事になります。慢性的に怪我をしていると考えても良いような,「肥満は炎症」なのです。
ではあなたのBMI (Body-Mass Index,体格指数) を確かめておきましょう。
あなたのBMI=体重(Kg) ÷身長 (m) ÷ 身長 (m)
あなたの適正体重 (Kg)=身長 (m) × 身長 (m) × 22 ← BMI

 

■参考文献

野口俊英編著,これで大丈夫!患者さんへの情報発信 歯周病と全身疾患,ヒョーロン・パブリッシャーズ,2006.

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