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早食いは肥満のもと!?
 
広島市リハビリテーションセンター 医療科部長 吉田 光由

昔から「早食いは肥満のもと」といわれていますが、この言い伝えが本当なのかについてはあまりわかっていませんでした。この問題について、東京大学大学院医学系研究科社会予防疫学分野の佐々木敏教授が次のような研究をされています。


画:Motoko Shintani

全国22大学の18才の女子大生1,695人に、食べる速さを「とても遅い」「比較的遅い」「普通」「比較的早い」「とても早い」の5段階に分けて自己申告をしてもらいました。女子大生は、友人同士で食事を摂る機会が多く、他人と比べた自分の食べる早さをよく知っています。その結果、「とても早い」と答えた人の平均体重が55.4kg、「とても遅い」と答えた人の体重は49.6kgと、その差が5.8kgありました。身長差があるので、BMIという肥満の基準を用いて、比べてみると図1のように、「とても遅い」と回答した者は、「普通」や「比較的早い」「とても早い」と回答した者よりも統計学的に差をもって痩せていることが示されています。BMIは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割ることによって求められ、18.5から25までが普通体重とされています。さらに、22が最も病気になりにくい理想体重とされており、「とても早い」人でほぼ理想体重なのですが、そこは若い女性、22ではちょっとぽっちゃりとなってしまいます。

図1.18歳女子学生の食べ方と肥満度との関係

もう少し詳しく見てみると、1日あたりの摂取カロリーも早食いの人ほど多いことがわかりました。一方、摂取カロリーあたりの食物線維の量は早食いの人ほど、少ないことがわかりました(図2)。
図2.18歳女子学生の食べ方と食物線維摂取量との関係
食物線維は、野菜、果物、穀物、海藻、キノコ、豆類などの植物性食品に多く入っています。便秘予防にいいとされていますが、その他にも、身体に有害な物質を体外に排泄したり、コレステロールや糖質の吸収を遅らせたりする効果もあり、炭水化物、脂肪、タンパク質、ミネラル、ビタミンに続く、第6の栄養素といった話もあります。
食物線維の多く含まれている食品は、よく噛む必要のある食品です。早く食べる人たちは、このような食品を食べるのを避けている可能性があります。このような食品に気をつけて摂るようにすると、自然とゆっくり食べる習慣が身につき、さらにダイエットにもつながると一石二鳥の効果があると思います。

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