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雑煮
神戸女子大学 家政学部管理栄養士養成課程 吉岡あゆみ
(雑煮レシピ:広島県歯科医師会)
もちを主とし、いろいろな材料を加えた汁物であり、正月の祝膳のうちでもっとも大切な献立の1つです。雑煮は幸をもたらしてくれる年神様を迎えるためにその年の地場の産物をお供えし、それを下げて餅とともにひとつの鍋で煮て神様と一緒に食事をします。そのために雑煮の具には地域性が強く押し出されています。雑煮箸の両側が細くなっているのは、一方が人用、もう一方が神用だからです。
雑煮の誕生は室町時代と言われています。おめでたい席、たとえば将軍がお成りになるとか、上流階級の婚礼の宴会でのお嫁さんのお色直しの時に出されていました。正月に雑煮を祝う記録が最初に出てくるのは戦国時代、京都吉田神社の神職をしていた鈴鹿家の日記です。そして寛永20年に出版された「料理物語」にはその材料・具が書かれ、味付けも示されています。
 

作り方や用いる材料は地方により特色がありますが、大別すると、関西は丸もちでみそ仕立て、関東は切りもちですまし仕立てです。材料にはだいこん、にんじん、さといもなどのほか鶏肉、貝類、塩さけなどが用いられます。

全国の雑煮をいくつか紹介します。

牡蠣雑煮■牡蠣雑煮
広島県広島市南区仁保では、正月の雑煮に必ずかきを使います。
牡蠣は「賀喜」という字を当てたり、「福をかき寄せる」といって、正月の材料にふさわしい縁起のよい食べ物と言われています。

白みそを使った雑煮■白みそを使った雑煮
徳島県那賀郡羽ノ浦町古圧では、いりこでだしをとり、正月用の白味噌で味をつけます。大根、里芋は、何ごとも丸くいくようにと、丸く切り、丸の白もちを一緒に入れて炊きます。
 

つゆもち■つゆもち
福島県東白川郡古殿町鎌田では雑煮のことを「つゆもち」といっています。正月のつゆもちのだしは、かつお節や、鶏をつぶしたときには鶏の骨を使います。具にはにんじん、
ごぼう、里芋など、季節の野菜を入れます。


参考文献:聞き書 ふるさと家庭料理 ⑤もち雑煮 編者 (社)農山漁村分化協会

 

雑煮レシピ

広島県歯科医師会の公衆衛生部のメンバーから集めた我が家の雑煮レシピです。同じ広島県内でも様々な調理法のようです。
 
干し車海老の戻し汁、昆布、鰹節、醤油
焼いた丸餅
具材 干し車海老(薩摩地方の特定の商店へ注文)、大根、里芋、人参、鶏肉、椎茸、青菜

すまし仕立て(薄口醤油、昆布、鰹節)
丸餅(焼く)
具材 牡蠣、鰤、鶏肉、大根、人参、三つ葉、柚子

すまし仕立て(醤油、鰹節、昆布、酒)
丸もち(煮る)
具材 鶏肉、大根、人参、葱、かまぼこ、手まり麩、ほうれん草、かいわれ、しめじ、とろろ昆布


すまし仕立て(醤油・いりこ・昆布・あげ)
丸もち
具材 鶏肉、白菜、ほうれん草、みずな、紅白かまぼこ、白ネギ、ネギ


醤油味の「すまし汁」
丸餅を焼かないで鍋に入れて煮る
具材 鶏肉、里芋、三つ葉、かまぼこ、ニンジン
時に 焼アナゴを入れる


すまし仕立て(しょうゆ・鰹節・昆布)
丸餅(別の鍋で煮て柔らかくする)
具材 鶏肉、かまぼこ、ほうれんぞう、しいたけ
三つ葉(今回は省略)


すまし仕立て(薄口しょうゆ、昆布、鰹 はまぐり)
焼いた丸もち
具材 みつば、ゆず、はまぐり、ふ


すまし仕立て(醤油、鰹節、昆布)
丸餅を焼かないで鍋で汁と一緒に煮る
具材 人参、里芋、ほうれん草、椎茸、油揚げ、豆腐、かまぼこ


すまし仕立て(醤油・鰹節・昆布)
丸餅(煮る)
具材 かまぼこ、三つ葉、柚子の皮


醤油
丸餅(煮る)
具材 大根、サトイモ、ニンジン、鶏肉、小松菜


すまし仕立て(塩、うす口しょうゆ)
丸餅(焼く)
具材 牡蠣、穴子
大根、人参、三つ葉、ゆず


すまし仕立て(醤油、鰹節、昆布)
丸もち(焼く)
具材 鶏肉、花形人参、凍み豆腐、三つ葉

 

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