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8020達成のための学校給食検討事業について(第3報)
広島市歯科医師会

 

広島県歯科医師会と広島市歯科医師会では、学校給食に着目し、学校現場でその現状と問題点を食育の観点から調査し、食育を基本とした8020達成のための学校給食のあり方について調べ、それらについて報告しています。

今回は、残食についてと給食を活用した指導について報告します。

4.残食について

1.残食傾向と食べ物の硬さ・噛みにくいものの関連


【図11】

全体の結果としては、硬いものや噛みにくいものが残食になると回答したのは約2割であった(図11)。
また本設問に付随して、硬いものや噛みにくいものが残りやすい傾向があると答えた学校に、具体的な食材名を書いてもらったところ、魚・豆・海藻・根菜などが多かった。
魚・豆・海藻・根菜などは一般的に和食の食材で使われることが多く、家庭における日常の食生活の変化や、子どもの噛む力の低下、和食離れが推測された。
 

2.残食(率)改善のための取り組み

最も多かった取り組みは「調理方法の工夫」で、学校の規模による違いは無く、残食の改善のために取り組みやすく有効な方法と考えられた(表3)。

給食時間

全体で見ると、「調理方法の工夫」に次いで多かったのは「雰囲気つくり」、「給食の解説」、「生活指導」であり、多くの食材をうまく活用して、児童・生徒に食材について理解をさせて、食に対する雰囲気つくりに努力されている様子が伺われた。これらの取り組みは家庭での食育に大いに参考になるものと考えられた。
小・中・大規模校での差異では、「学校での米・野菜の栽培(体験教育)」や「席の配置」など個々の児童に対する取り組みは小規模校の率が高く、「生活指導」や「ランチルームの設置」などクラス単位への取り組みは中規模校の率が高く、「調理方法の工夫」や「給食の解説」など全学年への取り組みは大規模校の率が高い結果となり、学校規模がそのまま取り組みの対象規模に繋がる結果となった。学校としての給食への取り組みを統一するのに、規模が大きくなるほど小人数単位での取り組みが難しくなるためと考えられる。

5.給食を活用した指導

1.給食を通じて児童に伝えていること(複数回答)

食を通じて児童に伝えていることの上位3者は、「食に対する感謝の気持ち」、「健康」、そして「マナー」であった(図12)。


食べ物やそれらを作ってくれた人々に感謝する気持ちを育み、食と健康について給食を通じて児童に教育する姿勢が明らかとなった。
ここで、健康のために良く噛むこと、噛むことで食材の味を楽しむことができること、よく噛んで命を頂くことに対する感謝の気持ちが芽生えてくるものであり、その観点から、歯科からは噛むことの重要性を強調していきたいところである。
学校関係者には、噛むことの重要性について十分な理解を得られているものと考えるが、歯・口の機能について一層の理解が得られるように歯科医師の努力が必要であろう。
 

2.食に対する指導をするべき場所


【図13】

ほぼ全ての学校が食に対する指導をするべき場所は学校と家庭の両方と考えており、学校のみと考える学校はほとんど無かった(図13)。
「食」は生きるための基本であり、文化の継承であるとの観点から、家庭と学校がお互いに情報を共有して、児童の健康づくりのために一層緊密な情報交換と連携構築の必要性があると考えられた。
 

3.噛むことの大切さを伝える取組み

噛むことの大切さについての取り組み方法について記述方式でたずねたところ、主に次のような回答を得た。
・給食時間における献立や校内放送など 34校
・保健指導              32校
・授業                26校
・掲示物               19校
・給食便り、保健便り、食育便りなど  12校
・歯科医師あるいは歯科衛生士に依頼  12校
学校歯科医又は歯科衛生士を通じた食について取り組みが、一層充実して理解が深められるように、「噛むことの大切さ」を働きかけるように努力する必要がある。

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