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広島の冬の味覚はやっぱりカキじゃろう!(前半)
広島県歯科医師会

カキを作る

カキは冬の代表的な味覚の1つだ。カキの魅力は、そのおいしさはもちろん栄養価の高さにある。身体の発育を促進させる亜鉛、貧血予防に効果のある銅などのミネラルのほか、ビタミンB2やB6をはじめとした各種ビタミンも豊富に含まれ、他の貝類に比べ、グリコーゲンや脂質も多い。さらには肝臓や筋肉の働きを正常にし、コレステロールの蓄積を防ぐ効果のあるタウリンが多いことも特徴だ。「海のミルク」とも呼ばれる所以である。
 
広島湾では江戸時代のはじめころからカキの養殖が行われるようになったそうだ。もともと広島湾は太田川から流れ込む栄養豊かな水と広大な干潟などのカキ養殖に恵まれた自然環境を備えていた。
 
また、養殖技術の発展を経て生産量も全国1位となり、カキといえば広島産というように「名産地」の地位は不動のものであった。


江波の向井水産
しかし近年、赤潮の発生、天敵のムラサキガイの繁殖、貝毒など、カキ養殖業者にとって頭の痛い問題がでてきており、広島カキの高い品質を保っていくためにさまざまな手立てが講じられていると聞く。
 
そこで、広島湾のカキ養殖事情を聞くために、広島市江波のカキ業者の向井水産を訪ねた。カキ打ちと呼ばれる剥き身作業の見学も期待したが、残念ながら到着した午後2時には作業は終わっており、カキ打ち場の入り口には午前中に剥き終えたカキが、四角い缶にいっぱいにつめられ15個ほど置かれていた。

向井社長
 
 
社長の向井一彦さんに、道具だけでも見たいとお願いしたところ快く持ってきてくださった。「カキ打ち」と呼ばれる道具で、広島独特のものだそうだ。(他の地域ではナイフ形が主流。)

カキ打ちの道具

向井さんは「打子(カキを向く人、打娘ともいう)はうちの作業所は11人いるが、朝の7時に始めて午前中でこのくらい剥くよ。」と、缶を指差した。缶1つが20kgというから15缶で300kgになり一人で30kg弱のカキを打つ計算になる。相当大変な作業だと思われた。


最近のカキ生産の状況については
「カキは、川から流れ込む植物性プランクトンを栄養に育つが、確かに一昔前に比べると、カキの生産量は減っている。特に雨が降った後の川から流れ込む水の状態は悪く、まあダムなどの影響もあるとは思うが・・・」と顔を少し曇らせた。しかし、「青年部が太田川上流で植林を行い、広島湾の状況をよくするための努力をしている。また、カキ筏のサイズも規定できちんと決められており、それもきちんと守ることが広島カキの品質を保つために必要。」と言われた。
 
現在、江波のカキ業者の数は、後継者の不足などで17と昔に比べかなり減っているそうだが、今後も広島カキのブランドを守っていただきたいものである。
 


カキの洗浄作業
最後に向井さんは、「昔はカキを木の樽で運んでいた時代があったそうだ。宇品の郷土資料館に行くと広島のカキ養殖の歴史がわかっておもしろいよ。」と教えてくださった。
素直な(?)私は、早速郷土資料館に向かうことにしたが、その前に向井さんが育てたカキを是非分けていただきたく、出荷先のカキ販売のマルヒロ水産株式会社に立ち寄った。

 
マルヒロ水産は、向井水産から歩いて5分ほどの場所にあり、向井水産でお話を伺っている間に、先ほどの缶がすでに運び込まれていて洗浄作業が行われていた。


粒が大きい3年物のカキ
社長のご好意により、洗浄の様子を撮影させていただいた。カキ洗浄器のベルトコンベアの上に剥き身のカキが並べられておりきれいな海水で洗浄されていた。完全に機械任せでは無く、要所要所に作業員がいて、きれいになっているか確認したり、足りない部分は水をかけたりなど、安全なカキを提供するために、神経を使っておられる様子が感じられた。

 

忙しく働いておられる作業員に恐縮しつつもお願いして、500gほど購入した。(量ってみるとかなり多めに入っていた。感謝)

 

生食用カキの規格基準

■加工基準 

カキを採取した海域や、カキを浄化するための海水の大腸菌群最確数が 100ml中70以下

■成分基準 

1.細菌数が1g中50,000以下
2.E.Coli(特定の大腸菌群)の最確数が100g中230以下
3.オキシテトラサイクリン(抗生物質)が0.10ppm以下

■保存基準 

1.10℃以下で保存(生食用冷凍カキは-15℃以下で保存)
2.清潔で衛生的な容器に入れるか包装

 

後半につづく>>

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