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選食力を身につけよう!(その1)-「食品表示」を知ろう-
 
広島市歯科医師会顧問 NPO日本食育インストラクター 小松 昭紀

日本人の食生活は、この20~30年で欧米化が進み、食事に占める畜産物や油脂類の摂取割合が高まりました。また、生活スタイルの面でも核家族化や共働き家庭が増え、多忙な時間の中で便利に利用できるインスタント食品や調理済み加工食品が食卓に並べられる機会が増えてきました。その一方で、毎日の食生活習慣が大きな原因となっている生活習慣病が増加の一途をたどっています。

では、私たちは何をどのように食べたらいいのでしょうか。

人間が生きていく上で「食べる」ことは欠くことのできない最も重要な行為です。健康な食事は栄養面だけでなく、安全面にも配慮する必要があります。どんなものを食べたら安心か?安全か?危険か?また健康になれるか? などなど。

そこで、消費者一人ひとりが安全な食べ物を見抜き、健康を維持することができる食べ物を選ぶ「選食力」を身につけることが問われ、それが食育の1つの柱に据えられているのです。

「選食」とは、好きなもの・贅沢なものを選り好みすることではなく、自分の身体にとって何が必要か、何が安全か、何を摂れば健康になれるかを見極めることです。

<食材選びについて>

食材を選ぶ時、まず指標となるのが「食品表示」です。JAS法(農林物質の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)では、一般消費者向けのすべての飲食料品について品質表示基準が定められています。

品質表示基準は「生鮮食品」「加工食品」に分け、それぞれ名称、原材料名(食品添加物を含む・多い順に記載)、内容量、保存方法、賞味期限、消費期限、産地(原産地)名、製造者・販売者名や住所等の一定の情報を表示するよう義務付けています。これが「食品表示」です。

一般的に多くの加工食品については表示義務がありませんが、政府は2006年10月から「乾燥きのこ」や「干し魚」など加工度の低い20食品群の食品に対して表示義務を広げています。09年10月には「緑茶飲料」と「あげ落花生」を追加、今後も品目を増やしていく予定だそうです。

また、08年4月からは、業者間取引においても、加工食品の原料となる生鮮食品や消費者には販売されない加工食品にも、名称や原産地、原材料名等の表示義務が加わりました。

さらに、食品の表示にはJAS法で定められた表示のほかにも、期限表示やアレルギー表示など「食品衛生法」に基づくものなどがあります。

その他、それぞれの業界団体が独自につくる表示もあり、それらの表示のルールは「公正競争規約」と呼ばれ、07年に「ドレッシング類」と「しょうゆ」、08年に「もろみ酢」と「食用塩」でも定められています。

さらに鶏卵についても鶏卵公正取引協議会が統一ルールを作成し、10年3月末から運用を始めました。表示が適正と認められた業者には「公正マーク」の使用が許可されます。

また、エネルギーやビタミンなど栄養成分に関する何らかの表示を行う場合や、「塩分控えめ」「脂肪分○%カット」「低糖」などの強調表示のある場合には、「栄養成分表示」規約があり、主要な栄養素をすべて表示することになっています。

また「健康食品」と総称されるものがありますが、有効性や安全性について「保健機能食品制度」によって定められた基準を満たしたものを「保健機能食品」といい、それ以外は「いわゆる健康食品」と呼びます。

「保健機能食品」の中には、特定の保健用途に利用できる「特定保健用食品」と、適切な食生活ができず必要な栄養成分を摂取できない場合に栄養補給のために利用する「栄養機能食品」とがあります。国が表示を認めた「特定保健用食品」には「トクホマーク」がつけられています。

「いわゆる健康食品」には、法律による明確な定義がありませんので、身体への具体的な効果を表示することはできません。

また、特殊な表記としては、「遺伝子組み換え食品」「アレルギー物質を含む食品の原材料表示」などがあります。

食品や食材に記載された表示やマークの見方を覚えておけば、食材選びもスムーズになりますし、安全な食材かどうかを判断することもできます。

おいしく健康に良い食べ物をバランスよく食べるためにも、現代人の基礎知識となる「食品表示」の見方をしっかり覚えておきましょう。

 

 

<主な基準マーク>

JASマーク

JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)に基づき、品位・成分・性能等についてJAS規格を満たす食品につけられる。JASマークは任意であるためすべてのものにマークがつくとは限らない。

特定JASマーク
JASマークのうち、特別な生産方法や特色のある原材料で造られた食品につけられる。熟成ハム類、手延べ乾麺など。

有機JASマーク

 

JASマークのうち、原則、化学肥料や農薬不使用で栽培された農産物やその加工品につけられる。このマークがないのに「有機」「オーガニック」などの表示は法律で禁止されている。

 

生産情報公表JASマーク

JASマークのうち、誰が、どこで、どのように生産したかという「生産情報」を正確に記録・保管・公表している牛肉・豚肉などの食品につけられる。

特定保健用食品

内閣総理大臣許可の、健康増進のために特定の保健の目的が期待できる食品につけられる。保健用途や栄養成分などを表示。医薬品とは異なり、治療や予防に関する表現は認められていない。通称「トクホマーク」。

特別用途食品

内閣総理大臣許可の、乳幼児用、妊産婦用、高齢者用、病者用など特別の用途に適することが認められる食品につけられる。

HACCP

厚生労働省「総合衛生管理製造過程」の認証制度に基づき、食品の原材料生産から加工、流通、販売、消費に至るまでの全過程について工程ごとに危害分析(HA)を行い、危害を防止する重要管理点(CCP)を定め、その管理基準を一定頻度で継続監視することにより、危害の発生を未然に防ぐシステム。マークのデザインは、各業界によって異なる。

Eマーク

地域特産のこだわりマーク。地域で生産された原材料の良さを生かすとともに、地域の伝統的な製造方法で生産された特産品を対象に、国の制度に基づき各都道府県が認証基準を策定、審査を行い、全国統一の認証マーク(Eマーク)をつけている。マークの3つのEは、「優れた品質(Excellent Quality)、正確な表示(Exact Expression)、地域の環境と
調和(Harmony with Ecology)」の意。


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