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選食力を身につけよう!(その6)-「食品表示」を知ろう-健康食品について
 
広島市歯科医師会顧問 NPO日本食育インストラクター 小松 昭紀
健康食品については、「広く、健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般」とされています。健康への関心の高まりとともに、市場も拡大している健康食品ですが、そのうち、有効性や安全性について保健機能食品制度によって定められた基準を満たしたものを「保健機能食品」といいます。それ以外は、「いわゆる健康食品」といいます。
いわゆる健康食品」には、法律による明確な定義がありませんので、身体への具体的な効果を表示することはできません。
保健機能食品」とは、栄養効果のあるもの、保健上の効果が科学的に証明されているものについてその表示が国により認められた食品です。この中には、「特定保健用食品」と「栄養機能食品」の2つがあります。

保健機能食品の概要

保健機能食品の概要図
医薬品 食品
医薬品 医薬部外品 保健機能食品 一般食品
特定保健用食品
(個別許可型)
栄養機能食品
(規格基準型)
健康補助食品
(いわゆる健康食品)
薬事法 健康増進法・食品衛生法 食品衛生法
 
特定保健用食品
:特定の保健の用途に資することを目的とし、健康の維持・増進に役立つ
又は適する旨を表示することについて、消費者庁長官により許可又は承認された食品です。
トクホマーク「お腹の調子を整える」「体脂肪がつきにくい」などの特定の保健用途に利用できる食品
のことで、主に生活習慣病の予防を考える人や、健康に不安のある人が利用の対象になっています。

国によって製品ごとに安全性と有効性の審査が行われ、その上で期待できる機能などの表示が認められています。表示が認められたものには「トクホマーク」がつけられています。ほかに、摂取により期待できる効果、摂取量の目安、過剰摂取による影響も情報として製品に表示されています。

 

●特定保健用食品に認められた表示例

「おなかの調子を整える」
「血圧が高めの方に適する」
「コレステロールが高めの方に適する」
「血糖値が気になる方に適する」
「ミネラルの吸収を助ける」
「食後の血中の中性脂肪を抑える」
「体脂肪がつきにくい」
「虫歯の原因になりにくい」
「歯の健康維持に役立つ」
「骨の健康が気になる方に適する」

●その他必要とされている表記
  1. 特定保健用食品である旨
  2. 栄養成分量及び熱量
  3. 1日当たりの摂取目安量
  4. 摂取方法
  5. 摂取をする上での注意事項
  6. 1日当たりの栄養所用量に対する充足率(関与成分が栄養所用量の定められた成分である場合


特定保健用食品を利用する場合の注意点

特定機能食品は、糖尿病や高血圧などの予防や治療を目的としたものではありません。
あくまでも病気でない人が利用することを前提にしています。もし、病気を待つ人が特定保健用食品を利用する場合には、まず主治医に相談したほうがよいでしょう。

 

栄養機能食品:高齢化や不規則な生活により適切な食生活を送るのが難しく、1日に必要な栄養成分が摂取できない場合などに、栄養成分の補給をするために利用する食品のことです(マークはありません)。
現在は、ビタミン、ミネラルのうち17種類の栄養成分が対象となっています。栄養機能食品として販売するには、栄養機能食品の規格基準(1日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量の上限値・下限値)に適合するとともに、その栄養成分について栄養機能の表示を行う場合には、それぞれの栄養機能表示に対応する注意喚起表示も併せて表示しなければなりません。また栄養機能食品は、特定保健食品とは異なり、個別に消費者庁長官の許可を受けている食品ではありません。

 

栄養成分 1日当り摂取 目安量に含まれる栄養成分量の上限値・下限値 栄養機能表示 注意喚起表示
亜鉛 3mg~15mg 亜鉛は、味覚を正常に保つのに必要な栄養素です。
亜鉛は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
亜鉛は、たんぱく質・核酸の代謝に関与して、健康の維持に役立つ栄養素意です。
本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。
亜鉛の摂り過ぎは、銅の吸収を阻害するおそれがありますので、過剰摂取にならないよう注意してください。
1日の摂取目安量を守ってください。
乳幼児・小児は本品の摂取を避けてください。
カルシウム 250mg~600mg カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。
1日の摂取目安量を守ってください。
4mg~10mg 鉄は、赤血球を作るのに必要な栄養素です。
0.5mg~5mg 銅は、赤血球の形成を助ける栄養素です。
銅は、多くの体内酵素の正常な働きと骨の形成を助ける栄養素です。
本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。
1日の摂取目安量を守ってください。
乳幼児・小児は本品の摂取を避けてください。
マグネシウム 80mg~300mg マグネシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。
マグネシウムは、多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生を助けるとともに、血液循環を正常に保つのに必要な栄養素です。
本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。
多量に摂取すると軟便(下痢)になることがあります。
1日の摂取目安量を守ってください。
ナイアシン 5mg~15mg ナイアシンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。
1日の摂取目安量を守ってください。
パントテン酸 2mg~30mg パントテン酸は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
ビオチン 10μg~500μg ビオチンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
ビタミンA

180μg~600μg

ビタミンAは、夜間の視力の維持を助ける栄養素です。
ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。
1日の摂取目安量を守ってください。
妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する女性は過剰摂取にならないよう注意してください。
ビタミンB1 0.3mg~25mg ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生と皮膚と粘膜の健康維持を助ける栄養素です。 本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。
1日の摂取目安量を守ってください。
ビタミンB2 0.4mg~12mg ビタミンB2は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
ビタミンB6 0.5mg~10mg ビタミンB6は、たんぱく質からのエネルギー産生と皮膚と粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
ビタミンB12 0.8μg~60μg ビタミンB12は、赤血球の形成を助ける栄養素です。
ビタミンC 35mg~1000mg ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。
ビタミンD 0.9μg~5.0μg ビタミンDは、腸管のカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素です。
ビタミンE 3mg~150mg ビタミンEは、抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける栄養素です。
葉酸 70μg~200μg 葉酸は、赤血球の形成を助ける栄養素です。
葉酸は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素です。
本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。
1日の摂取目安量を守ってください。
本品は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素ですが、多量摂取により胎児の発育が良くなるものではありません。

 

国が定めている栄養機能食品の規格基準に当てはまる場合には、上記のような栄養成分の機能の表示ができますが、規格基準を満たしているすべての栄養成分に関する機能を表示しているわけではなく、製造業者等が表示したい機能のみを表示している場合があるため、実際にどのような栄養成分が含まれているかは栄養成分表示を確認してみる必要があります。
それぞれの栄養成分は、分かりにくい表現ではありますが、上記のような働きがあります。どの栄養成分も体には必要な栄養素ですが、これらの栄養成分を必ず栄養機能食品で摂る必要はもちろんありません。まず、通常の食事で摂ることを考えましょう。食生活は主食・主菜・副菜を基本に食事のバランスを。

安全に利用するためのポイント

健康食品には、食品として健康維持のために一定の働きは期待できますが、医薬品のように病気の治療をするものではありません。あくまで食生活における補助的なものと考えましょう。また、利用するにあたっては、安全性について一般の食品より慎重に考えるようにしましょう。

 

●健康食品を利用するにあたっての注意事項

  • 利用前に本当に不足している栄養成分があるか普段の食生活を振り返ってみましょう。
  • 製品を選ぶ際には、表示や広告をよく確認しましょう。
  • 個人輸入やネットオークションを利用する際には、製品の情報をよく確認しましょう。
  • 特定成分の過剰摂取に注意しましょう。
  • 体調不良を感じたら、すぐ利用を止めて医師に相談してください。
  • 治療を受けている人が健康食品を利用する場合は、医師や薬剤師に相談してください。

サプリメントとは?

サプリメントは、栄養の補助として、あるいは健康増進を目的として利用されていますが、サプリメントに法律上の定義はありません。健康食品、栄養補助食品などとも呼ばれ、それらに明確な違いはありません。一般に食品と医薬品との中間的なものと思われていますが、法律的には食品ですので「…に効く」など効能効果を表示すると薬事法違反となります。
JHFAマーク財団法人日本健康・栄養食品協会では、2011年3月現在61品目のサプリメントについて、安全性と品質を確保する目的で細かな規格基準を設け、基準を満たした商品にJHFAマーク(自主認定マーク)の表示を許可しています。

 

サプリメントなどの健康食品に頼り過ぎて、「食事をとる」ことの大切さを忘れないでください。食事は、栄養を摂取するだけでなく、味覚を豊かにしたり、噛む力を鍛えたり、コミュニケーションの楽しさを知るなど、様々なプラス要素が含まれているのですから。

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